裏通りに足を延ばす…街歩きツアーで古都の魅力をPR
出所:【聯合報╱記者邵心杰・熊迺群/台南報道】2014.02.25 04:05 am
台湾を訪れる中国人ツアー客が増加し続ける中、ますます高まる観光ビジネスチャンスを捉えるため、台南の旅行業者たちは新たな観光スポットの開発に乗り出している。台湾に来てもただいくつかの有名な古跡をざっと見るだけという中国人ツアー客に、塩水の蜂炮(ロケット花火祭り)やマンゴー祭など地元の風物を肌で感じてもらったり、文化創意の特色溢れる裏路地を散策してもらったりと、もっと時間をかけて「街歩きツアー」を楽しんでもらうことを期待している。
交通部観光局の統計によると、昨年の訪台中国人旅行者数は287万人に達し、今年の春節の中国人客も大幅に増加しており、旅行によって両岸に観光ビジネスチャンスがもたらされると広く期待されている。
台南市旅行商業公会の王致遠理事長は次のように指摘する。「現在台湾を訪れている中国人団体客の行き先は、台南で言えば赤嵌楼や安平古堡などの古跡といった有名観光スポットにほぼ限定されており、観光時間も約3、4時間程度にすぎない。これでは観光名所とその近辺の食べ物屋、土産物屋が潤う程度で、もし地元のビジネスチャンスを創出する旅行を開発するのであれば、観光ルートをもっと多様化するとともに、より幅広いものにする必要がある」
。
王理事長によると、実は台湾のホテルは一貫して拡充され続けており、遊覧バスも充実していて一日に延べ6千人の観光客に対応することができる。また、産業文化の国際観光化の趨勢を受け、公会では最近、いかにして塩水蜂炮や果物産業など季節的な風物と結びついた新たな観光ルートを開発するか、いかに軽食グルメや古都の文化創意産業などを通して、より幅広く中国人観光客を誘致するか、更にはすでに台湾を訪れたことのあるリピーターの中国人観光客を引き付けるか、という議題についても討議と計画が進められているという。
まさに日本や東南アジアを訪れる多くの台湾人が、かつては有名観光スポットばかりを観光していたのが、今では一歩進めて各地域に入り込み、地方独特のグルメや商品を求め、産業文化を訪ねるようになったのと同じく、台湾においても旅行業者のみならず各自治体政府が共に協力し合い、どのようにして観光客を台湾各地に呼び込み、各地域産業のビジネスチャンスを拡大するかを真剣に考えて行く必要がある。
台南市観光協会の尤鎰鋒理事長は、「近年では連休の度に五つ星クラスの宿泊施設の予約が困難となり、特に年末年始は多くの宿初施設で1か月前にほぼ満室、プレジデンシャルスイートルームだけが空いているという状況になる」と語る。
統計によると、昨年合計で延べ235万人が台南に宿泊し、その内80%が国内客、次いで中国人客が7.35%、日本人客は6.5%であった。尤鎰鋒氏は、台南の政治・経済環境は友好的で、台南を訪れる中国人観光客数は今後さらに増加すると見込んでいる。2年以内に台南には宿泊施設が15件、客室が3319室新たに増える見込みで、台南の観光旅行の盛り上がりが窺える。